背中を整えるマインドフルネス

なおみん

最近、動かずにネットばかり見ているから、肩がこるねん


高橋右

あるある、やね。私は、コロナが始まったころから自分の体も整えようと、ヨガを始めたり、整体院や鍼やらで身体のケアもするようにしてるねん


なおみん

それで、効果あるの?


高橋右

おかげさまで、体調は問題なくキープできているみたい。けれど、このまえ、とても気になる研究を知ったんよ

こんなことを知りたい方のために書きました

マインドフルネスで自分の腰痛や、肩こりをやわらげる方法を知りたい方
(ただし、医療のチェックを受け、適切な運動をしていることが前提)

科学的に信頼度が高い腰痛・肩こりの治療法は運動と認知行動療法でしかもその効果は8割

今、もっとも科学的根拠の信頼度の高い
腰痛、肩こりの治療法は

運動と認知行動療法で
しかもその効果は8割だというのです。

それで関係書籍を色々読んでいて
気づいたのが
ここでいう「認知行動療法」には
ずいぶんとマインドフルネスの要素が入っている
ということでした

ああ、だから、この研究の流れに
科学的マインドフルネスの世界で
とても有名な
ジョン・カバットジン博士の
「マインドフルネス・ストレス逓減法(ていげんほう)」があったのだな、
と思いましたよ!

↓↓↓ご存じの方も多いと思いますが、もはや古典です

実は私、
小学生のときから
「肩こり」です。

これが、運動と
マインドフルな
認知行動療法でどうにかなるなら
面白い!
と実践してみることにしました。

その実践で
これは、と思うところを
ご紹介したいと思います。

もちろん、腰痛肩こりには
治療が必要なケースが2割ありますから

この話は
医学的に問題がないケースに
限ります。

※)この話は、2012年の『腰痛診療ガイドライン』等に沿って書いたものです。もとになった論文はこちらです。
R A Deyo, J N Weinstein: Low back pain N Engl J Med. 2001 Feb 1;344(5):363-70
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM200102013440508

発表当時、大きな話題になりました。しかし「非特異的腰痛が85%を占める」という言葉が独り歩きし、ほとんどの腰痛は原因不明である、という印象が広まったともされています。 この論文は、米国の総合診療医の情報をもとにしたもので、腰痛治療に精通した整形外科専門医なら正確な診断が可能ではないかということで、2019年5月に発行された『腰痛診療ガイドライン』の改訂第2版では「再考が必要」と書かれています。
https://medicalprime-kanda.com/column/373

痛みが気になっても、治そうと「がんばらない」のがマインドフルネスのコツ

次にお伝えしたいのは「痛みが気になっても、治そうと頑張らない」です。

でもなんだか変ですよね。

背中を心地よく整えたいのに
直そうと頑張らないなんて。

「頑張らない」
「必死にならない」

実はこれ、
マインドフルネスの特徴なんです。

じゃぁ何をすればいいのか
と言う疑問が湧きますよね。

あえてこれに答えるなら
頑張るかわりに

「どんな時、あなたは心地が良いのか」

そんな心地よさを探して下さい。

リラックスして
何となくふわっと探して下さいね。

高橋右

例えば、私の場合は、朝にウォーキング。30分ぐらいね。これはとっても心地いいねん。なおみんは、どう?何か心地いいことってある?


なおみん

ええと、ええと、ええと・・・


高橋右

あ、必死になって、頑張って探さないでね。なんとなく、軽く、ふわっと探してね


なおみん

うう、すぐ真面目に必死に考えてしまう・・・

あなたの「痛み」の原因は何か?

あなたの「痛み」の原因はなに?

たとえば「腰の痛み」の原因は何なのでしょうか?

きっと、いろんなことが
思い浮かぶのではないでしょうか?

たとえば

背骨が曲がっている
ヘルニア
脊椎間狭窄
・・・・

ですが、驚くことに、
実は、これらは
「痛みの原因」ではない、
という研究かあります。

例えば、ヘルニアでは、
1995年、
国際腰椎学会で発表され
腰椎界のノーベル賞と言われる
「ボルボ賞」を受賞した研究があります。

その論文では、
46名の健常者の椎間板をMRIで撮影したところ
そのうちの76%つまり
46名中35人に
椎間板ヘルニアがあった
と言うことなのです。

ここで取り上げられているのは、この論文。
1995 Volvo Award in clinical sciences.
The diagnostic accuracy of magnetic resonance imaging, work perception, and psychosocial factors in identifying symptomatic disc herniations.

つまり、
腰が痛いのはヘルニアが原因だ、
と言う説明は

正しくない。

と言うことなのです。

このことは
あなたの腰が痛い原因とか
あなたの肩こりの原因が
何なのかは、

特定するのは難しい

ということにつながります。

高橋右

例えば、私の次男の話なんやけど。次男は高校時代、野球部やってん


高橋右

腰の不調で、整形外科によく行ってたんやけどな


なおみん

それは、ちょっと大変やな


高橋右

いろんな高校の野球部員が集まってきてね。強豪校の子と運動療法もしていたみたい


なおみん

へえ、ちょっとスゴそう


高橋右

そこでドクターにこんなことを教えてもらったそう


なおみん

どんなこと?


高橋右

「たとえ脊髄にボルトを入れているような人でもオリンピックで活躍する人もいる。だから希望を持って治療するといいよ」

「自分のカラダ」という「友達」だと思ってみる方法

「自分のカラダ」も、あなたの大切な「友達」の一人と考えたとき、そんな「友達」と普段どんなお付き合いをしていますか?

なおみん

なんか、ヘンな質問・・・

そうかもですね。 実はこれ、背中を整えることと深〜い関係があるのです。

なぜなら、あなた自身が、自分のカラダを「どう、とらえているか」は、あなたの背中だけでなく、あなたのカラダ全体のコンディションと深く関係してくるからです。

ここで、2つのケースを考えてみましょう

ケース1:自分のカラダは、あたりまえの存在、空気のような存在、いつも自分の隣にいる友達のような存在

このようにとらえると、自分自身と自分のカラダの関係は、こんな感じになります。


・何もなくて、あたりまえ。そもそもカラダのことは意識しない
・ダイエットして・・・「なかなか体重減らないわね、ダメじゃん」
・筋トレして・・・「なかなか筋肉ふえないよ、ダメじゃん」
・熱がでると・・・「え〜なんで、熱なんて出すの?!、今大事なときなのに(プンプン)」
・痛みが出て・・・「もう〜今日も痛いのね、こんなポンコツなカラダでこまっちゃう!」

いかがでしょうか?

自分のリアルな友達に「いて、あたりまえ」とか「ダメじゃん」とか「今日もポンコツ」なんて言葉をかける人は、なかなかいないと思います。

でも、自分のカラダに対してはどうでしょうか?

次のケースも考えてみましょう。

ケース2:自分のカラダは、当たり前でない、とても大事な存在。大切な友達

このようにとらえると、自分自身と自分のカラダの関係は、こんな感じになります。


・何もなくて・・・カラダさん、今日も1日よくがんばってくれたね。ありがとう
・ダイエットして・・・増えても、減っても、どっちも好き。「カラダさん」がいい感じだったら、私も嬉しい
・筋トレして・・・筋肉が増えても減っても、どっちも好き。「カラダさん」がいい感じだったら、私も嬉しい
・熱がでると・・・「熱が出た?!カラダさんはどんな対応をして欲しいんだろう?」
・痛みが出て・・・「痛い?!カラダさん、昨日と今日では、どう違う?それで、どう対応して欲しい?」 

いかがでしょうか?

高橋右

ちょっと擬人化しすぎたかも


なおみん

ちょっと違和感あるわ


高橋右

以前の私は「ケース1」。これだとカラダとのいい関係は続かなかったよ

ポイントは、自分のカラダや背中の「いい感じ」は、「カラダ」という相手を「対象化」し、丁寧につきあうことにかかっている、ということです。

「対象化」して、丁寧につきあうと、カラダのかすかな変化に気づくようになり、微調整ができるようになって、背中を整えやすくなる、と思うのです。

自分に合った運動のススメと、どうしたら「自分に合った運動」が見つかるか

自分に合った運動のススメ

『腰痛ガイドライン(2019 版)』でも、運動は、腰痛や肩こりの軽減にとても効果があるとしています。

あなたには、自分にあった運動習慣がありますか?

私の場合は毎朝のウォーキングと、週一回のジム通い、そして腰の調子が悪くなったときのヨガなどが、それにあたります。

どうしたら「自分に合った運動」が見つかるか?

そこで、気になるのは、どうしたら「自分に合った運動」が見つかるか、だと思うんですね。

認知行動療法(認知行動心理学的アプローチ)で「自分に合った方法」を見つける

腰痛ガイドラインでも認知行動療法(認知行動心理学的アプローチ)の効果は認められています。

認知行動療法は、1960年代からアーロン・ベックなどによって始められ(諸説あります)さまざまに発展してきました。現在は第3世代の認知行動療法の時代といわれ、そこではマインドフルネスも積極的に取り入れられています。

そこで、この認知行動療法という「心理学的アプローチ」を自分に応用してみることをオススメします。本格的な認知行動療法は、膨大な内容になるので、ここでは1番シンプルな認知行動心理学の方法をご紹介しますね。

まず、やってみる

1)良さそうな運動を選ぶ

あなたの好きな運動を選んでください。有酸素運動でも、無酸素運動でも、ジョギングでもヨガでも太極拳でもなんでもいいので、心ひかれる運動をひとつ選びます。

2)その運動を試す前に、ビフォアの背中の状態をチェックする

背中の状態の微妙な変化に気づきたいので、10点満点中、何点かでチェックすることがオススメ。点数は自分の主観でかまいません。

3)その運動を試した後に、アフターの背中の状態をチェックする

背中の微妙な変化にも気づきたいので、10点満点中、何点かでチェックしてください。

運動のビフォア・アフターを比較

運動のビフォア・アフターを比較すると、いろいろな結果が得られます

1)やってみて状態がよくなったとき

これは是非とも続けるべき「自分にあった運動」です。私にとってはそれは腰痛の時のヨガがそれです。

2)やってみて状態が悪くなったとき

これは「やめる」か「運動強度や時間を少なくする」などして、調整が必要です。

3)やってみて状態に変化がないとき

このときは、注意が必要です。もしかすると少しずつ変化があるかもしれないので、ある程度は継続して様子を見ます。

例えば、私にとって週一回のジム通いを続けることで、明らかに肩こりの悪化を防いでいます。ジム通いをやめると、たちまち肩こりが辛くなるのです。

また、ウォーキングは、体のためだけでなく、心のためにもなっているし、さらにはマインドフルな瞑想にもなっているので、ウォーキングは私にとって無くてはならない運動習慣です。

このように、ビフォアとアフターの体の状態をチェックしながら、運動を続けることで、背中の状態をよりよくできます。さらにこのような運動習慣は、「自分のカラダ」を丁寧に「対象化」することを助け、さらには「自分のカラダ」という「友達」とのよりよい関係作りにも役立つと思うのです。

まとめ:世界最強の男に学ぶマインドフルネスを使った身体の整え方

ここまで自分の背中を整える、腰痛や肩こりに対応することについてずっと書いてきました。けれど、振り返ると、マインドフルネスのことはあまり書いてこなかったですね。

なおみん

それでマインドフルネスはどこいったの?


高橋右

これから話すから、待って

肩こり腰痛とマインドフルネス、具体的にどんな関係があるのかと思われるかもしれません。

結論のひとつは、肩や腰の気になる部分に「意識を向ける」と言うことです。


昔の私は、体の特定の箇所に意識を向けることが、どういうことなのか全くわかりませんでした。

ある本に、世界最強の男と言われたブラジリアン柔術のグレイシー兄弟が(ご存じですか?!)筋肉を増やすにはその部分に意識を向けてトレーニングをすることだ、と言っているとありました。

初めてそれを読んだとき、「世界最強の男と言うのは、不思議なこと言うものだ」位にしか思っていなかったのですが、それからずっと後になってマインドフルネスを実践するようになり、グレイシー兄弟の言うことがやっとわかるようになりました。

今ではヨガで腰痛を整える時も、腰の気になる場所に必ず意識を向けています。

この、今の腰の状態に気がついていると言うことが「マインドフルネス」なのです。

もしかしたら最初はなかなかわからないかもしれないですが、今度ストレッチ等をするときは、身体の気になる部分が、今どういう状態なのかそっと意識を向けてみてください。

そうすることによって、ビフォアとアフターの小さな変化に気づきやすくなりますよ。

高橋右

自分で自分の体を
セルフケアできるようになっても
ときには、専門家に診てもらってくださいね。

プロの観察眼は大事です。

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