才能か、努力か。

スポーツや、クリエイティブな分野、
例えば、アート、音楽、演劇などを目指したことがある人なら、いちどは
「私に才能はあるんだろうか?」
と思ったことがあるのではないでしょうか??

あるいは、 何か資格を取るときや、勉強しているとき
「私には、才能がないから、無理なの?」
と思いが、ふとよぎったりしたことは?


才能について、最近の心理学では、

超一流になるにも、才能よりも努力が大事という説が主流です!

高橋右

才能がなんぼのもんじゃい!という勢いやわ

なおみん

学者さんの研究はええから、
実際、どうなん?

高橋右

それがな
自分を使って捨て身の実験をした人を見つけてしもてん

なおみん

すごいやん、めっちゃオモロイやん、その人!

そこで、ここでは、その人がどんな実験をしたかについて、紹介します。

新しいことにチャレンジしているあなたにもきっと役立つ内容だと思います

「才能があると違うよなあ」と思うとき

サッカーや野球などで、素晴らしいプレーをする人を見て
「あの人は才能があるね。センスにあふれていて、違うよね」
というような会話をしたり、聞いたりしたことはないでしょうか?

私はあります。

ずいぶん昔の子育て中の話です。

長男も次男も野球をしていたので、親の私も、運動神経抜群のチームメートを何人も見てきました。

ウチの子たちがベンチを温めるの見ながら「ここは才能がものをいう世界だなぁ」なんて思っていました。

しかし、今の学説は「努力だ、才能じゃない」と言う方向に流れている

最近の心理学の流れでは
才能より努力だ、ということになっています。

例えばこの本

「超一流になるのは才能か努力か」

あるいは、
10000時間トレーニングしたら
一流になれる、と言う考えを世の中に広めた本

「天才!」

によると、

チェス、バイオリン、テニス、数学…。
世界のトッププレイヤーを研究してわかったことは
「才能より努力だ!」というのです。

「才能より努力」の証明に、自分の10,000時間を捧げようとした男がいた!

この研究結果を読んで面白いと思った、あるアメリカ人が、こんな実験を始めました。

年齢30歳、男性。商業写真家。
仕事もプライベートもすべてなげうって
今までやったことのないゴルフに
6年間、10,000時間を投資
する。

目標は、全米プロゴルフ協会の試合の出場権を得ること。

ということで、
心理学者やマスコミにもメールを送り、自らブログを開設して、その全ての道のりを公表しはじめたのでした。

その人の名前は、ダン・マクローリンさん。

ダンダン

ハイ、私がダンです

ダンは、心理学者らが提唱する「限界的練習」についての文献を読み込み、最初から3人のプロコーチをつけました。ゴルフコーチ、筋力トレーニングとコンディショニングのコーチ、そして栄養士です。

さらにグラッドウェルの10,000時間の法則をやってみたのです。

なおみん

ちょっと、ちょっと
その「限界的練習」とか10,000時間の法則て、何なん?

かがくんかがくん

あとで、説明するから、今は、そういう練習とか法則がある、と思っておいて。

なおみん

しゃあないな、まあええわ

彼は、なぜこれを始めたのか(その目的は?)

ダンは、これを始めた目的をこう語りました。

ダンダン

プロゴルファーになるのが目的じゃなかったんだ。

どんな分野でも成功できるのは限られた人だけ、つまり数学の道に進めるのは論理的で「数学が得意な人」だけ、スポーツの道に進めるのは「運動が得意な人」だけ、素晴らしい演奏家になれるのは「音楽の才能に恵まれた人だけ」と言う考え方が気に入らないんだ。

時間をかける覚悟さえあれば、どんなことでも可能だと証明したかった。

その証明のためには、今までやったことがないようなことがいい、と思った。 だからゴルフを選んだんだ。

と言うわけでダン・プランと名付けられたこの計画は2010年にスタート。彼は30歳でした。

10,000時間の練習の根拠は?

ところで、ダンがやってみた10,000時間の法則、での数字の根拠は「天才!」という本にあります。

ジャーナリストのグラッドウェルは「天才!」という本の中で、超一流になるには10,000時間の練習が必要と書いたといわれています。

けれども、この数字は「才能か努力か~」の著者、エリクソン博士によって否定されています。

エリクソン博士の主張

私は「10,000時間の練習をしたら超一流になれる」とは言っていない!

バイオリニストとして超一流になった人は、平均で10,000時間、練習していたということで、個人個人をみたら、もっと短い人もいるし、もっと長くかかる人もいる。

それに、分野によって超一流になるのに必要な時間も変わる。

例えば、数字の並びを記憶するゲームでは、200時間の練習で世界一になった人がいるぞ!

かがくんかがくん

グラッドウェルは、ウケると思って10,000時間というキリのいい数字を持ち出したんだろう

なおみん

えらい、テキトーやな!

かがくんかがくん

そうは言っても、グラッドウェルの主張には、大事なメッセージがあって、
それは超一流の人は気の遠くなるような長時間の練習をしている、ということなんだ。

なおみん

野球のイチローみたいやね。

彼が実践した、質の高い練習とは何か?

エリクソン博士の30年にわたる研究によると、超一流のプレーヤーが実践している「練習」には、分野が違っても一定の共通点があると言うのです。

さらに、良いことに、この練習法は、世界トップクラスの人だけでなはなく、何かの分野で少しでも能力を向上させたいと思っている人なら、誰にでも実践できる方法だということです。

ダンは、心理学者が提唱する、限界的練習についての文献も読み込んいて、練習の質を高めることにとても意識的でした。

高橋右

タカハシが整理して、紹介します!

目的のある練習をする

練習は、なんとなく繰り返すのでなく、何のための練習なのか、目的を持ってする。

ダンダン

ボクの目的は「時間をかける覚悟さえあれば、どんなことでも可能だと証明したい」だね!

はっきりと定義された具体的目標を設定する

ダンダン

ボクの具体的目標は「全米プロゴルフ協会の試合の出場権を得る」。
誰が見ても、達成されたかどうか、わかるよね!

集中して行う

ダンダン

それはもう!とても集中してたよ。
人生がかかっていたからね。

フィードバックをもらう

ダンダン

ボクの場合、ゴルフコーチ、筋力トレーニングとコンディショニングのコーチ、そして栄養士と、3人の専門家からフィードバックをもらった。それから、動画を撮るカメラマンも頼んだよ

コンフォートゾーンから飛び出す

コンフォトゾーンとは「心地よい場所」のこと。コンフォトゾーンから飛び出すとは、心地よさ、つまり「できること」に安住せず、「とてもできない、できそうにない」と思うことに取り組むことを言います。

ダンダン

ボクの場合、ゴルフの上達に合わせて、コーチも変えて、レベルの高い練習ができるようにしたんだ。

ここまでのまとめ

上手になるための5つのコツ
1 目的のある練習をする
2 はっきりと定義された具体的目標を設定する
3 集中して行う
4 フィードバックをもらう
5 コンフォートゾーンから飛び出す

なおみん

ひとつ、足らんやん

高橋右

あとで、もう一つ出てくるから、待っててな

それで、彼はどうなったか?

ダンのブログによると、4,000時間ほど練習したところで、トップ6%のプレーヤー、つまりゴルフのエキスパートと呼べる水準まで上手くなりました。

高橋右

ダンはすっかり有名人になって、多くの人がダンの挑戦に注目するようになったらしいよ

What Happened to The Dan Plan? から

その中にはプロゴルファーもいて
ダンのゴルフの腕はどのぐらいかと見てみたところ、、、、上位6%だけれど、プロゴルファーのレベルではないというのが正直な感想だったそう。

引き続き、ダンは、自分の全ての時間をつぎ込んでゴルフの練習に邁進してきました。そしてそのプロセスをブログで報告していったのです。

しかし、2017年、6,000時間練習したところで背中を痛め、このゴルフ・プロジェクトを中止しなくてはいけなくなったのです。

ダンダン

ああ残念!でも、どうしても腰が痛くて続けられなかったんだ・・・

この挑戦から得られたものは何?

ダン・プランの目標「全米プロゴルフ協会の試合の出場権を得る」と言う観点から見たらダンの計画は失敗でした。

しかしダン自身は「自分が失敗者だとは思いたくない」と言っているし、それは真実だと思います。

ダンダン

だってボクの目的は、才能は問題じゃない。誰だって時間をかける覚悟さえあれば、どんなことでも可能だと証明すること、だからね。

実際、ダン・プランが目標を達する事なく終わっても、このチャレンジから得られたものはたくさんあったのです。たとえば

次の挑戦者を生み出した

なんといってもダンに触発されて、新しいチャレンジを始めた 30歳以上の人たちがたくさんいるらしいです。つまりダンは「大人の星」になったわけです。

これは何を意味するか。

1人の挑戦者は次の挑戦者を生み出すのです

例えば、人間は初めからエベレストに登れたわけではないです。初登頂する人の前に、あえなくリタイヤした名もなき人がたくさんいて、その人たちの経験が初登頂につながったはずです。

学問的に価値がある

学問的に言っても、ダンのチャレンジは素晴らしいです!

かがくんかがくん

超一流のエキスパートたちを分析して、その人たちが過去に何をしたかを分析するよりも、

仮説「質の高い練習を10,000時間続けたらどうなるか」をやってみて、実際に超一流になれるかどうか検証する方が、学問的にもっと値打ちがあるんだよ。

高橋右

研究が仕事のうちのダンナも、「ダンはエライ」と絶賛やったわ

かがくんかがくん

仮説の正さを検証するって、大変なんだよ。

ブラックホール理論のホーキング博士がノーベル賞を受賞しなかったも、生前に理論の検証ができなかったから、という話もあるんだ

「好きこそものの上手なれ」

ダンダン

僕自身が学んだことは、

努力は確かに違いを生み出す。

でもプロゴルファーになるには、自分はゴルフに対してクールすぎた。偉大なプロゴルファーには、例えばタイガー・ウッズのように「何よりもゴルフが好き!」と言う時期が必要なんだと思う。

タイガーは子供時代、宿題をすることのご褒美は「ゴルフをすること」だった、というじゃないか!

日本のにも「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますよね。

まとめ

上達する練習の6つのコツ

1 目的のある練習をする
2 はっきりと定義された具体的目標を設定する
3 集中して行う
4 フィードバックをもらう
5 コンフォートゾーンから飛び出す
6 長時間 練習するのであれば「好きなこと」をやる

なおみん

10,000時間の練習ってどのぐらいかかるん?

高橋右

そやな、毎日3時間やって、だいたい10年ぐらいやな

なおみん

なんや、かなり大変やな

高橋右

分野を選べば、200時間で世界一になった人もいるんやて。

これやったら、毎日3時間で、2か月ちょい、やな。

なおみん

そやから、好きなこと、楽しいことを選べ、なんやな。

・・・それで、ダンさんのその後が気になるんやけど

高橋右

なんかな、「エコでヘルシーでオシャレな飲料作り」で起業してはるらしいよ

なおみん

へえ~、やるやん。

参考文献

超一流になるのは才能か努力か?(エリクソン著)
The Dan Plan
What Happened to The Dan Plan?
The Average Guy Who Spent 6,003 Hours Trying to Be a Professional Golfer
ダンの新しい事業

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