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2016/8/21のサイエンスZEROで「マインドフルネス」を扱っていました。パフォーマンス向上や、ストレスの低減に役立つことなどが紹介されました。マインドフルネスの方法の一つとしての「森の中のウォーキング」、実際にどんな効果があるのでしょう?それは、個々人の生活にどのように取り入れることができるのでしょうか?

マインドフルに歩くことを、「マインドフル・ウォーキング」といいます(なんだか、そのままですが)。私は2011年から続けています。
そこで、これに期待できる効果と、生活への取り入れ方を、体験的に書いてみました。

朝日を浴びると、生き物としてのリズムが整う

体内の時計を整える物質に「メラトニン」というホルモン(体内で分泌され、体の調子を整える物質)があります。昼夜逆転をなくし、日の光とともに、活動を始め、日没とともに、活動を終わらせる、という生物として、自然なリズム作りを助けてくれます。時差ボケなどを直すのも、日の光を浴びるのがいいと言われます。これを意識するようになって、私はなんとなく体がダルイということが減りました。

これは、べつにウォーキングである必要はありません。日の光を浴びればいいのですから、外での体操や、外の掃き掃除でもいいのです。

歩くと、体がすっきりする

運動すると「セロトニン」という神経伝達物質がでます。セロトニンには、覚醒作用があり、気持ちをすっきりさせてくれます。

これは、ある一定の時間、歩くことで可能です。私の感覚的には最低でも15分ぐらいは歩きたい感じがします。

5感を使って歩くことで、マインドフルネスのトレーニングになる

実は、マインドフル・ウォーキングのやり方は、いろいろあります。その中で「5感を使って歩く」ことの何がいいか。

私の実感は、こうです。
5感がそれぞれ受け取る感覚と、その感覚の変化に注意を向けると、あまりにも情報量が多いので「今、ここ」にしか、意識を向けられなくなります。これがいいのです。これが、頭の中のごちゃごちゃ状態(デフォルト・モード・ネットワーク)を静めてくれるのです。

5感をより楽しむためには、なるべく美しいところを歩きたいものです。だから、私は、朝の森を歩きます。でも、森が近くになくても、やり方はあります。5感を総動員して歩けばいいのです。今日の朝の光はどうか。空気の匂いはどうか。風はどうか。歩いている自分の体の状態、呼吸の状態はどうか。そうすればマインドフル・ウォーキングになります。

この3つが重なると、体も頭もスッキリします。やらないでいると、全身にうっすらとモヤモヤした感じが残っています。だから、朝のマインドフル・ウォーキングはとてもオススメです。

↓この動画では、マインドフルネスで自分の脳内が静かになる様子を、スノーボールに例えてみました。

ごちゃごちゃして、内側がよくわからなかったのが、クリアになります。

番外:歩きながら考えるのは、マインドフルではないけれど、それはそれで効用がある

歩きながら考えることを習慣にしている人もいます。アイデアをまとめたり、一日の予定を立てたりするのです。ドイツの哲学者、カント先生も毎日歩いていましたし、京都にも、日本の名だたる学者が歩いたという「哲学の道」という素敵な道があります。

あるときは、マインドフルに歩く、またあるときは、考え事をする、と歩き方を選ぶのいいと思います。ポイントは、今、自分がどちらの歩き方をしているのかに「気づいている」ことです。

カント先生も、意外と両方やっていたかも知れないと思っています。

まとめ

「マインドフル・ウォーキング」の効用は、1)太陽の光で体のリズムが整う 2)運動で体がすっきりする 3)マインドフルネスで、頭もすっきりする。朝の森のマインドフル・ウォーキングはこの3つを一度に実現する優れた方法だと思っていますが、この他にもよい方法はいろいろあることでしょう。何を目的にするのかが明確になれば、ほかにもいろいろなやり方が考えられると思います。参考になれば嬉しいです。