22.日記: あらためて、タイプ・特性論の大切さとその扱いについて

あらためて、タイプ・特性・パーソナリティ論の大切さとその扱いについて

ラスキーの読書会が進むにつれ、ここで書かれている「成人発達」を取り入れたコーチングで何が可能か具体的に考える時間があった。すると、そこで出てきたのは、おなじみのタイプ・特性論、だった。

鈴木規夫氏によると、「能力」という視点からは、「社会的・感情的・認知的」領域の「下」に「タイプ・特性・パーソナリティ」領域を考慮すべきだという。

ラスキー博士は、この「タイプ・特性・パーソナリティ」を「行動」領域と呼んでいる。この領域では、具体的にどんなアセスメント方法があるかというと、ユング由来のMBTIや360度評価などをあげていて、ラスキーは、ヘンリー・ミュレーが始め、モリス・アダーマンが組織向けに開発した「欲求/圧力質問票」を使うらしい。こちらは、フロイトを引き継ぐものである

参考:https://interdevelopmentals.org/dimensions-of-clients-psychological-profile/

ここまで知って、私が想起する「タイプ・特性・パーソナリティ」をあつかうものとして、インテグラル理論界隈で有名なエニアグラム、世界的にも有名なDISC、ビッグファイブなどが想起される。ヘルスコーチジャパンでもDISCを簡略化した「コミュニケーション・スタイル」が非常に好評だ。

これらの「タイプ・特性・パーソナリティ」を扱ったアセスメントとしてもう一つ想起されるのは、双子の研究をもとに開発されたアセスメントがあったのだが(名前を思い出せない)こちらは、今、版権の関係で使えないのが残念である。

また、NLP系のアセスメントもあるが、こちらは「思考パターン」を見るもので、「タイプ・特性・パーソナリティ」より、レイヤーがアプリ寄り(つまり変えやすい)ものになる。

人の能力を、パソコンのOSとアプリに分けて例える方法がある。この例えでは、OSの一番下が「タイプ・特性・パーソナリティ」領域、その上に「社会的・感情的・認知的」領域が乗っかる感じである。

「思考パターン」などの「マインドセット」系は、OSのすぐ上に乗るアプリである。

スキル系の能力、例えば、仕事に必要なエクセルのスキル、コーチングのスキルの部分などは「マインドセット」のさらに上にのるタイプのアプリであろう。

この人の能力を、階層構造を持った領域に分けてとらえる方法は、便利だ。しかし、心の中の見えない領域を扱うので、取り扱い注意である。「タイプ・特性・パーソナリティ」を評価する方法も世の中にはたくさんあるが、どの評価方法にも限界がある。道具として、上手に使うことが必要だ。うのみにしたり、他人のレッテル貼りに使うと有害でしかない。

さて、興味深いのはこの2つのOS領域である。「社会的・感情的・認知的」領域の「下」の「タイプ・特性・パーソナリティ」領域である。この一番下の領域は、その人に固有なものである。その人固有のあり方が「社会的・感情的・認知的」領域の発達によって、どんどん成熟していく、というメカニズムになっているのだ。

インテグラル理論で大事にされる、もう一つの領域「霊性」についても書いておこう。人の「霊性」は特定の宗教的信仰のあるなしにかかわらず、すべての人に備わっており、「能力」とは別の領域である。別の言い方では「霊性」は、すくなくとも「能力の領域全体」を包み込むイメージである。


高橋左

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