14.日記:イベントのあとの振り返りは、イベントの価値を2倍にする

西洋の「時間」と東洋の「時」の違い

ある人が「これからの10年間で、何を成し遂げたいか」というお題でコーチングをしてくれるという。よい機会なので少し準備をしようと思った。その準備の方法が、この12年を振り返る、というものである。

なぜ12年か。理由はアジア系の占いは、運気をは一定の流れの繰り返し、と見るからだ。さまざまなアジア系占いを観察すると、12年で運気が一回りする、と考えるものが多い。しかもその流れは「四季」のような循環する流れである。つまり、12の運気が四季のように流れ、春に芽吹いたものが夏に花を咲かせ秋に実り冬は枯れて残された種は土で眠り春にまた芽を出す、というイメージだ。

技術哲学者のユク・ホイも、西洋における時間(TIME)と東洋における時(トキ)の違いを指摘していてとても面白かった。時間という概念は、明治時代に西洋から輸入された概念だったのである!トキについて、「光陰矢の如し」(時間は矢のように飛び去っていく)とイメージするか、「トキはめぐる」とイメージするかで、ずいぶん違う。

ちなみに東洋ではトキと「秋」と書くこともある。中国では遠い昔の三国時代で、諸葛孔明が書いたと言われる「危急存亡の秋(とき)」という言葉がある。「出師《すいし》の表」にある言葉で、「危急存亡」とは、存続するか、滅亡するかというほどの危難が迫っている状況を表わし、「秋」は、五穀の実る最も重要な“時”を象徴しているというのだ。

個人的には、明智光秀の本能寺の前の和歌「ときはいま あめがしたしる さつきかな」は、本人はともかく、「今こそ、その重要な時なのだ!」のイメージが後世に伝わったのではないか、と思ったりする。

そんなこんなで、この12年を振り返って、これからの12年のリソースにしてみようと思ったのだ。

それで昔の手帳など出して確認した第1印象は「よくこんなに学んだものだ!」という驚きだった。そのときの実感としては「私には体力がない、時間もない」だったので、同時の自己認識とのずれに、また驚いている。

もちろん、学んだものは、コーチングとして、プログラムになって活かされているわけなのだが、振り返ると、学びの量が多すぎて、未消化の部分も多いと感じている。

なので、これからの10年は(12年でないのは、収穫の秋を意識している)、インプットよりもアウトプットに意識を向けようと思う。正直、何が成し遂げられるかを想像することは難しい。ただ、イメージしているのは、一方向のアウトプットだけでなく「発酵」である。その場にある相互関係性から、生まれ起こってくるものを大事にする、というイメージだ。

四年ぶりの合宿の企画と実施を終えて

直前の記事からずいぶんと日数が過ぎた。この間に、所属するコーチング・スクールの合宿があり、それに携わっていた。合宿が終わってからも、それ以外の溜まった仕事を完了させるために、ずいぶん時間がかかった。

合宿自体は4年ぶりの開催で、企画・準備自体も4年間、延期に延期を重ねたわけだが、メンバーの積極的な働きで、大変うまく行ったと感じている。

総じて感じたことは、やはりリアルで集まることの価値で、スクールのfacebookページに書いた文章をこちらにも再掲する。

合宿開催報告

先日、4年ぶりにヘルスコーチジャパンのメンバー合宿を神戸で開催しました。(写真は近くの公園を、早朝にウォーキングしたときのもの)

この4年間は、ヘルスコーチジャパンにとってもメンバー1人1人にとっても激動の4年間でした。特に、医療関係者のメンバーも多く、それはそれは大変な4年でした。

そのメンバーたちが4年ぶりに集まっての合宿でした。久しぶりに会う人、初めて会う人(ZOOMでは何度も会っているので不思議な気分です)がひとつの場所に集まって、ワークをしたり、ディスカッションをしたり。

ZOOMを介さない、リアルな対話は自由度が高くてやっぱり良いですね。

本当によく笑い、よく食べ、よく遊びました。

あ、まじめに研修もしたんですよ。

この4年間は、ライフシフト、COVID-19、ICF(国際コーチング連盟=世界最大のコーチング組織)の大改革、生成AIの台頭など、大きな変化変革が重なり合って進行中です。

ですから今回の合宿のテーマは、大きな変革期に、私たちがそれぞれ、コーチングをどのように活用していくのかを改めて一緒に考えることでした。

すぐに答えがでないようなテーマがあっても、共に考える仲間がいるので心強いです。

来年また、北海道で会いしましょう!

イベントのあとの振り返りは、イベントの価値を2倍にする

合宿そのものはとても良かったのだが、同時に課題も見つかった。

それは、このようなイベントがあると、用事がたまって「いっぱいいっぱい」になってしまい、「振り返りの時間」がしっかりとれないことだ。

「まだ用事が残っている、こなさなきゃ」と無意識に思うのか、つい振り返りを省略してしまう。このような日々が数日続くと、毎日が何か上滑りしている気持ちになる。

イベントのあとは、用事を片付けるのも大事、休息も大事。それと同じぐらい、振り返りも大事。イベントのあとの振り返りは、イベントの価値を2倍にする。

だから、できるだけ、20時以前にその日の振り返りをしようと思う。イベントの振り返りも、小出しでいいので、折に触れて振り返っていこう。