34.  葵祭で大切にされる草木、ふたば葵と桂、そして集合的無意識について

5月になり、 若葉の緑が目にしみる頃、
葵祭りが始まります。

なぜコーチングのブログでお祭りの話をするかというと、
お祭りは、その地域の「集合的無意識」に関係するからです。
そして、無意識の領域もコーチングの守備範囲なのです。

・・・とはいえ、今回は気楽な話です。

普段は意識しませんが、
私たちは、その土地固有の考え方に
影響を受けて生きています。

このことは、
普段はあまりにも当たり前すぎて、
ピンとこないかもですが、

海外に住むと
なんとなく見えてきたりします。

土地固有の考え方というと
インテグラル理論で言ったら
左下象限になりますね。



さて、
葵祭は、京都三大祭りの1つですが、
5月 15日の行列だけフィーチャーされることが多いです。

でも、本当は5月の間ずっと
なにかしらのお祭りをしています。

祭りの舞台 の1つである、下鴨神社は
私の朝のウォーキングコースなので
5月から粛々と始まるお祭りの気配を
感じることができて楽しいです。

この時期、神社の境内のここかしこが
二葉葵(ふたばあおい)と桂で飾られます。

桂の枝の真ん中あたりに「ふたば葵」を取り付けて、飾ります。

少し、離れてみるとこんな感じです。

5月15日の行列の他にも、
お祭りとしては、

流鏑馬(やぶさめ)、
斎王代の禊(さいおうだいのみそぎ)
御蔭祭(みかげまつり)・・・

その他、いろいろありますが
そのたびに
二葉葵と桂のお飾りが、取り変えられます。

桂の若木

二葉葵はこんな感じです。とても背が低い植物です。

お祭りに関わる人もほぼ全員
身体のどこかに、
桂の枝や二葉葵を身につけます。

これはもう何かの信仰の表現だとしか思えません。

話は少し飛びますが、
日本は長らく神仏習合の国でした。

神社とお寺が別々になったのは
明治時代の
廃仏毀釈という政策からです。

下鴨神社の境内の中にも
以前はお寺があったことがわかっています。

平安時代、天台宗の安然というお坊さんが
仏教の教えてとして、初めて
「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」
ということを言い出したそうです。

・・・人間だけでなく、草木も山も河も全部、
仏になれるんだよ

という意味です。


この言葉は、お能の中で、よく出てくるそうで、
お能がポピュラーな芸能だった時代には

「草木国土悉皆成仏」
〜草木も山も河もみ〜んな神さま仏さま!〜

という感覚が
広く共有されていたのだと思います。

また、この言葉は、
インドや中国伝来の経典の中にはなくて、
日本のオリジナルだそうですよ。

この川のはるか向こう、右手に見えるが比叡山です。
ここに天台宗のお寺があります。


そんな背景の中で、
みんがみんな、二葉葵や桂を身につける、

これは、なんらかの
「神さま」「仏さま」を
身につけている気分になるためだったのでは
と思います。

また話は飛びます。

以前私は、古典フラダンスを習っていたことがありました。
そのとき、ダンスチームのみんなで
本物の葉で、レイ(大きなくびかざりのようなもの)を作り、
それを身につけて踊る、という経験をしました。

身につけた本物の葉から、
香気が立ちのぼってきて
なんともいえない神聖な気分になりました。

文化人類学によると、
土地によって、固有の文化、信仰がありますが、
太平洋を囲む地域の文化には、
共通するものがある、と言います。

ハワイのフラダンスで、本物の葉を身につけるとか
日本の葵祭で、至る所に、二葉葵や桂を飾り、全員が身につけるなどの
心のありようには、
集合的深層意識の部分で
共通点があるように思えて仕方がありません。


高橋左

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