13.日記 感情活用と古武道

感情活用と古武道

昨日、感情活用に関する新しいワークショップの入門編を行なった。リアルな場における、感情やコミュニケーションについて、正解のない対話をするのはやはり楽しいようだ。みんなチャンスがないだけで、本当は、あれこれ探究したいのではないか。感情知性=EQの説明も、日常の具体例から対話をしながら少しずつひもとくのが、多くの方にしってもらうポイントだと思う。

自己探究は、知的好奇心に満ちた活動だ。その探究では、感情はとても重要なカギとなる情報だ。ただし、心の領域を扱うだけに、やはり注意は必要だと思っている。心の領域は、普段意識している以上にずっとずっと広くて深いのだ。最近、クリストファー・ベイシュの『天からのダイヤモンド』を読んでいて、よけいにそう思う。

翌日、カウンセリングを学びに、対面研修に出かけた。近くに生田神社があったので、お参りする。会場はとても素敵な環境で、対面ワークショップをやるのであれば、禅寺か古民家でなければ、あのような空間がいいな、と思った。そこで学んでいる人のうち、コーチは私一人なのだが、対人支援技法に「コーチ」「カウンセラー」の区別は本当に必要なのか?と思ってしまう。必要とされる関わり方が「コーチング」か「カウンセリング」かの区別は、目の前のクライアントの「状態」が決めることではないか。技法としては「コーチング」も「カウンセリング」も共通だと思う。海外では実際にそういう流れになっている。

ICFでも以前は「コーチング」と「カウンセリング」を分けよ、と言っていたが、今は、「コーチング」と「セラピー」を分けよ、と言うようになった。いろんなスタイルのコーチングが生まれているのだろう。個人的には、コーチもカウンセラーが使うような心理技法が必要だと思っている。理由は人の心は奥が深いからで、ものの捉え方や見方もあつかうプロコーチには、心理技法も必須である。

カウンセリングの対面研修はコロナ後初であった。ソマティック・エクスペリエンスの考え方に基づいた「オリエンティング」は、動物に学んていて本当に面白い。「アニマルフロー」のようなものだ。「オリエンティング」の考え方は、自分でももう少し復習しておきたい。今日のグラウンディング実習は、古武道に基づいたものなのか、こちらもとても興味深かった。「身体の重心を見つけようとするな、身体が重心を勝手に見つけるに任せよ」そして、そういう状態の身体が、一番「バウンダリーが強くなる」のである。

古武道での身体の使い方は、いにしえの剣豪が見つけた。武道は、相手を倒す、まはた、自分が倒されない技術であるが、多くの剣豪が最後には「愛」とか「平和」と言い出す。宮本武蔵もそうだ。修練をつむと、自然の流れでその方向にいくのであろう。おそらく対話支援の仕事でも、自然の流れを活かすような剣豪の身体の使い方が参考になると思う