クリスマス・シーズンが来ると、イルミネーションがキレイですし、クリスマス・パーティーを開いたり、パートナーと過ごしたり、家族でごちそうをたべたり。また、商業的にもさまざまな活動が展開されます。
でも、クリスマスって何の日なんだろう、そして、キリスト教徒でもない私は何をやっているんだろう、という疑問がずっとありました。
そんなとき、夫の仕事の関係で、2年間アメリカに住むことになり、これはチャンス、本場のクリスマスを見てこよう!と思ったのです。そのときのことを、ちょっとご紹介します。
引っ越し先のサンディエゴのアパートの隣人、Hさんは、やはり日本から来た人で、双子の男の子のお母さんでした。阪神大震災で被災して、「人生は一度きり!」と覚悟を決め、子どもをつれて留学してきた「肝っ玉母さん」です。
Hさんはカトリック(キリスト教の宗派のひとつ)教徒でした。私は、もともと興味があったし、当時は毎日のように悩んでいました。そこで、何かヒントが見つかるかも、と、一年間、彼女に地元の教会に連れていってもらったのです。
25年前の記憶をもとに書いているので、不正確なところはあるかもしれませんが、お許しくださいね。
クリスマスはイエス・キリストの誕生日を祝う日
これは、ご存じの方も多いと思います。
12月の始めから「もうすぐ生まれるよ~」という期待が高まる「降誕節(こうたんせつ)」がはじまります。
イエス・キリストが生れる前、その両親にどんなストーリーがあったか、物語風に語られます。
それが相当な苦難の物語なのです。
当時の王様は、預言者から「これから生まれる赤ん坊は、王様に害をなす」といわれ、生まれる赤ん坊を全員殺すことを命じ(!)ます。
その上、お母さんのマリアさんは「未婚の母」と思われていて(神様の子どもを宿したというけれど、そんなこととはなかなか信じてもらえず)周囲の目がそれはそれは厳しかったという解釈もあります。
そんな事情をすべて理解した優しいヨセフさんが、臨月のマリアさんの国外亡命を助けるわけです。
そして、逃亡中、宿がなくて、やむなく入った「馬小屋」でイエス・キリストが誕生するわけです。
ここでBGM的には「きよしこの夜」です。
子をもつ親なら、とっても大変なこと続きの末に、奇跡のように授かった子供!という気分が理解していただけるかと思います。
ちなみに、サンディエゴの教会の讃美歌は、伴奏が「フォークギター」でとっても庶民的でした
クリスマスと冬至のお祭りが合体
ところで、イエス・キリストが生れたのは、イスラエルの砂漠地方。しかも12月ではなかったと言われています。
キリスト教がヨーロッパに広まったとき、もともとヨーロッパにあったの「冬至」のお祭りと結びついたと言われます。
何しろ、「冬至」は一年で一番、日が短い日。寒くて、花も咲きません。でもこの日から、徐々に日が長くなり、命が芽生えて、春になる・・・そういう期待を込めて「冬至」を祝うのです。たぶん日本人が「お正月」を祝う気分と同じです。
新しい命の始まり、という意味で、「冬至」と「イエス・キリストの誕生」は結びつきやすかったのだと思います。
クリスマスより大事なのは復活祭
クリスマスのあと、Hさんが言いました。
ホントは、私らにとって、クリスマスより大事なんは、復活祭なんやで
「イースターの卵」というのはご存じでしょうか?
美しくペイントした卵を、家のあちこちに隠して、さがしあてるゲームに使ったりします。
その「イースター」は「復活祭」という意味で、処刑されたイエス・キリストが、預言通り「よみがえった」ことを祝うお祭りです。
キリスト教の教祖なのに処刑とはおだやかじゃないですよね。でも、当時キリスト教は「反体制運動」だと見なされていたのです。
なので、復活祭は、イエス・キリストが行った仕事が「正しかったよ、みんな、安心して!!」という、信者さんたちにとって、とても重要で、ありがたい日なのです。
教会では、処刑と復活のストーリーもみんなで追体験します。参加してみると、処刑のストーリーでは涙を流す信者さんもいます。「なるほど、こっちがキリスト教の心臓部だな」と思った瞬間でした。
ひととおり体験して思うこと
クリスマスは、苦難を生き延びてさずかった「新しい命の誕生を祝う」お祭りです。だから、すべての子供の誕生をお祝いする気持ちでお祝いしていいんじゃないか、と思います。
それで恋人同士ですごす件にしたって、困ったマリアさんを優しいヨセフさんが助けた話でもあるので、まあ当たらずとも遠からず、でアリなんじゃないか、と今では思います。
それに、カトリックでは、信者さんでない人も、教会に参加OKです。信条が異なっても、共有できる部分がある、というのは大事で素敵なことだと思うのです。
いろいろ体験し、勉強して、結局、信者にはならなかったのですが、Hさんには本当にお世話になったと今でも感謝しています。
あらためて思うのは
クリスマスとは、イエス・キリストが
大変な苦難の中、生まれたこと。
そして、人々の希望になったという
物語だということです。
今、コロナで世界中が大変ですが、
そんな中でも、一人一人に
希望が見えるクリスマスだといいなと
切に願います。
それが一人一人にとっての
本当のクリスマスなのではないかと
ちょっと思うのです。
クリスマスや冬至について、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
※こちら、イエス・キリストが生れたときにプレゼントされたという、乳香(にゅうこう・左)と没薬(もつやく・右)です。焚くと良い香りがするんですよ。
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