成人発達理論という学問分野があります。
大人になってからも、人間の精神構造は発達する。
とにかく、成長するのです。
私は、コーチングを学んでいます。
コーチングではよく「自分らしく生きる」と言います。
私だって、そう思ってコーチングをしています。
心理学的な用語で言えば、
コーチングは自己実現を助ける
コミュニケーション法だと言えるかもしれません。
「自己実現って何?」と思ったときに、
インテグラル理論や成人発達理論に出会い、
学び続けてきましたし、今も学んでいます。
最近、理論を学ぶほどに、
「理論の向こうにある声」を聴きたくなることがあります。
そんな折、キャロル・ギリガン博士が
京都賞を受賞すると知り、迷わず会場に向かいました。
成人発達理論の分野では、
多くの学者が様々な理論を唱えています。
その中に、ひときわ異彩を放つ人がいます。
それがキャロル・ギリガン博士です。
他の学者たちが
「いかに高度に成長・発達するか」に焦点を当てがちな中で、
彼女はまるでこう問いかけているようでした。
「それって、違うんじゃないの?」と。
そして2025年、
キャロル・ギリガン博士は京都賞を受賞。
地元・京都で講演するというではありませんか。
これは、何としても行かなくてはなりません(笑)。
場所は国立京都国際会議場。
1500席が満員御礼。
とても聡明で、暖かな雰囲気の方でした。
博士は、自分自身を一言で表すなら
「聴く人」だと語りました。
成人発達理論の世界では、
多くのアセスメントやインタビューがあります。
博士もその仕事をしながら、
ふと思ったのだそうです。
「私は、この人の本音を聴いているのだろうか?」
講演を聴いて、私は驚きました。
博士は89歳。
明晰なスピーチに加え、
今なおオープンなハートで、
新しい探求の旅に出ようとしているのです。
私はこう思いました。
成人発達理論はとても大事です。
私たちに新しい視点を示してくれるからです。
けれど、時にはその理論をすべて横に置いて、
ハートを全開にして聴く――。
「私はこの人の本当の声を聴いているのだろうか?」
「何かを聴き落としているのではないだろうか?」
そんな姿勢で、相手の話を聴く試みは、
もっともっと大切だと思いました。
理論を超えて聴くということ。
それは、相手を理解すること以上に、
自分自身の“本当の声”と
再び出会う道なのかもしれません。
彼女の京都賞受賞のYouTubeが
とても素敵だったので、紹介します。
ぜひ、この人の声を聴いてみてください。
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