最近、AIや社会の分断について考えることが多くなりました。
テクノロジーの発展はめざましい一方で、
人と人との信頼や共感はどうすれば育てていけるのか。
そんな問いを抱えていたとき、
「オードリー・タン氏が近所にやってくる」と知りました。
万象繰り合わせて、講演会に行ってきました。
光はヒビから差し込む ― オードリー・タン氏の講演で感じた希望
オードリー・タン氏のことは、
コロナが始まったときに、ITを使った民主主義の力で
台湾の国民にあっというまにマスクを配布させた時から
とても注目していました。
600席の会場は満員。
私は早めに出かけて、一般人にとっての最前列(前から3列目)に座りました。
第1部が講演で、第2部が同志社大学の教授たちとのパネルディスカッション。
一番よかったのは、
オードリー・タン氏の「あり方」に触れられたこと。
まず、レナード・コーエンの詩の引用と歌。
(タン氏は歌ったのです)
「すべてのものにはヒビがある。そして、そこから光が差し込む。」
その言葉と声が、静かに会場全体を包み込みました。
パネルディスカッションでは、
氏の強靭な知性だけでなく、コンパッションも体現していました。
他のパネラーが発言しているときの
タン氏の傾聴の姿勢が、ハンパなく美しい。
こういう姿勢の人が、AIやデジタルの力を使いながら、
分断が深まる世界に、根気よく橋をかけていくのだと
深く納得したのです。
ますますファンになりました。
「光はヒビから差し込む」。
完璧ではない人間の私たちだからこそ、
そのヒビから世界とつながり、他者の痛みを感じ、
新しい希望を受け取るのかもしれません。
AIの時代にあっても、
人が人として在るということ――
その静かな強さとやさしさを、
オードリー・タン氏の姿から教えられました。
オードリー・タン氏の「聴く心」は、どこから生まれたのか
この記事を読んだ方から、
オードリー・タン氏の子供時代のことを書いた本を
教えてもらいました。
どんな環境で育てられたら、
オードリー・タン氏のような大人に育つのかが書かれた、
とても興味深い本でした。
想像を絶する大変な内容でした。
オードリーは賢すぎて、学校に全く馴染めない。
両親もとても苦労します。
でも、私にとってもっとも印象的な箇所はここでした。
14歳のオードリーは、一人で山小屋に籠ります。
何日も籠ります。
目的は「3つの自己」を統合するため。
1 日常生活を送る自己
2 詩を書く自己
3 コンピューターの世界にいる自己
本もペンもコンピューターも照明も友人もなく、
何かを食べる以外、何もしない毎日を過ごします。
そして、小屋から出てきたとき、
母親が言うには、オードリー・タン氏は
「聴く心が全開になった」。
ここ、私は素直にすごいなと思います。
彼女の聴く姿勢は、このときに現れてきたんですね。
📖本のタイトル:
『オードリー・タン 母の手記「成長戦争」― 自分、そして世界との和解』
(近藤弥生子 著)
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オードリー・タン氏が14歳で向き合った
“3つの自己の統合”という経験。
それは、私たち一人ひとりが
「外の世界」と「内なる声」をつなごうとするときの、
ひとつの象徴のように感じました。
「光はヒビから差し込む」。
完璧ではない私たちだからこそ、
そのヒビから世界とつながり、他者の痛みを感じ、
新しい希望を受け取ることができるのかもしれません。
AIの時代にあっても、
人が人として在るということ――
その静かな強さとやさしさを、
オードリー・タン氏の姿から教えられました。
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