図解:マインドフルネスとは?

「マインドフルネス」という言葉を耳にすることが増えてきました。それでも、まだまだとらえどころがない、という方も多いと思います。

そこで今回は、
1)マインドフルネスって何なのか? 
2)具体的なやり方は? 
3)何の役に立つのか? 
4)その先にはどんないいことがあるのか?
について、お話ししたいと思います。

マインドフルネスって何?

世間でのマインドフルネスのイメージは?

世間では、マインドフルネスに対してどんなイメージを持たれているのか、聞いてみました。すると・・・

「瞑想?」
「ヨガ?」
「呼吸する系?」

もちろん「何それ、聞いたことがない!」という方もたくさんいらっしゃいました。

私が思うより、ずーっと、マインドフルネスは知られていなかったですね。なんだかショックです。

さて、マインドフルネスにはさまざまなイメージがあります。その理由は、マインドフルネスには3つの顔があるからだと思うんですよ。

マインドフルネスには3つの顔がある

まず、長い歴史がある。「マインドフルネスは、ブッダが再発見した方法である」と言われることがあります。

つまり、ブッダ以前に、すでにその方法が見出されていた、ということなんですね。たとえば、ヨガなども、ブッダ以前にすでにあったと言われています。確か4000年ぐらい前には、すでに実践されていた、という文を読んだことがあります。

人間は、大昔から「瞑想」をしてきた、と言われています。そして、今世界には数千種類の瞑想法があると、Googleでの研修で聴きました。マインドフルネスはそのうちの一つなんですよ。

つぎに、仏教の修行の一部であることです。身近なところでは、禅宗の修行と近いようです。ただ、禅のお坊さんの中には、「マインドフルネスは、仏教の修行の一つだからね。他の修行と組合せて初めてバランスがとれる。マインドフルネスだけ取り出して、あれこれ言うのはどうかなと思う」とおっしゃる方もあるんですよ。

そして、科学でもあつかわれるようになったこと。これは、1970年ごろから、マインドフルネスに関する科学論文が発表されるようになったのですが、現在では、論文の量は毎年たくさんあるそうですよ。

このように、歴史、仏教、科学という3つの顔があるから、世の中でもいろいろなイメージで受け止められているのでしょうね。

マインドフルネスの定義は?

現在、マインドフルネスの定義はどうなっているのでしょうか?

マインドフルネスを初めて「科学」にした、ジョン・カバット・ジン博士の定義によると

マインドフルネスとは、意図的に、批判・判断を加えずに、今この瞬間に注意を向けること

もうすこし、かみくだくと

”自分や周囲にダメだししないように意識しながら
今、この瞬間に注意を向ける注意力のトレーニング

そうなんです。マインドフルネスとは一言でいうと「注意力のトレーニング」といえると思うんですよ。

具体的なやり方は?

ここまで、マインドフルネスとは何か、について、お話ししてきました。ここからは、マインドフルネスとは具体的に何をすることなのか、なにかコツはあるのか、ということについてお話ししていきます。

まず、図でざっと表すとこんな感じです。

具体的やり方

マインドフルネスでは、具体的にどんなことをするのかというと、最初は呼吸に注意を向けることから始めることが多いようです。

そして、ある程度「呼吸に注意を向ける」ことに慣れてきたら、今度は「体全体に注意を向ける」トレーニングを始めます。

このように、自分の内側でどんなことが起こっているのか気付く練習をするのです。

コツは「がんばらない」こと

日本人には「がんばる方」がとても多いと感じています。私のブログを読んでくださる方の多くが「がんばる方」です。

「いえいえ、私は怠け者です」とおっしゃる方も、身近な「もっとがんばる人と比較している」場合が多いのです。

ところが、マインドフルネスには、努力して、がんばると、かえってうまくいかない、という特徴があります。

「がんばって、早く変化を感じたい、結果を出したい!」と思うと変化や、結果から遠ざかる感じです。

それよりも「マインドフルネスをしてみたら、どうなるかな~」とフワっと軽く、実験するような気持でつきあっていただくほうが良いようです。

例えるなら、小さな子供を遊ばせるとき、危なくないように注意はしますが、だからといって、子供をずーっと、にらみつけるように監視する人はいない、という感じでしょうか。

何の役に立つのか?

ここでは、マインドフルネスを実践すると、何の役に立つのか、どんないいことがあるのか、という話をします。

マンインドフルネを試しに2~3分やってみると、自分の気持ちが「穏やかになる」ことを感じていただけるかと思います。

医者の友人は「副交感神経が優位になるから、穏やかになるんやろうね」と感想をいってくれています。

次に、自分が穏やかになると、心の中で起こっていることを落ち着いて「俯瞰(ふかん-全体をながめること)」できるようになります。すると、自分の心に対する理解が深まります。

自分の心を俯瞰し、理解が深まると、自分とのよりよい接し方・あつかい方が見えてきます。これを「心が整う」といいます。イメージとしては、部屋の中の整理整頓ができているというイメージです。

このように心が整うと「ますます穏やか」になります。すると、自分の心がもっと俯瞰できるようになります。

つまり、「穏やか」⇒「心を俯瞰」⇒「心が整う」⇒「さらに穏やか」・・・とグルグル回りながら少しずついい感じになっていく、いわゆる好循環が起こるのです。

その先には何がある?

心が穏やかになったり、整ったりする先には何があるのでしょうか?ここは、私の講座の受講者の方の感想からご紹介しましょう。

受講者の感想として、よくおっしゃるのが「体調が良くなる」ことです。自覚的に良くなるというより、7段階評価で振り返ってみると「そういえば、前よりいい感じかも」と分かる感じです。

その先にでは、受講者がどんな環境で何を望んでいるか、という個々の状況によって変わってきますが、よく聞くのが「自分に優しくなった」「家族に優しくなった」「部下から相談されるようになった、部下とのコミュニケーションが良くなった」などです。

これは、受講者自身がマインドフルネスの実践を習慣化すると同時に、自分の心のあり方や動きを俯瞰(ふかんー全体を眺めること)する習慣もつくため、自分との付き合い方、周囲との付き合い方が少しずつ変わってくるからだと言えます。

まとめ:マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、注意力のトレーニングです。やり方は、最初は呼吸から始めます。頑張らないのがコツです。マインドフルネスを続けると、だんだんと穏やかに、自分の心の動きが理解できるようになります。結果として、ストレスが減ったり、体調がよくなります。なので、自分に優しくできり、周囲の人にも、より優しく、また頼られるようになります。

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