医療系の大学でコーチングを教えはじめて数年になります。

コーチングが「選択科目」のときは、楽しいクラスになりますが、難しいのは「必修科目」のときです。

なぜか?

それは、しぶしぶ授業に出席する学生さんがいるからなんですね。「グループ・ディスカッションなんて面倒だし」「話すの、苦手だし」「でも必修だし」などと学生さんは言います。

コーチングを教えるなら、どの点からみてもコーチング的であることを軸にしよう

「必修」とは、ほぼ「強制」と同じことです。大学入学時は、本人が希望し「選択」して入学したはずですが、そんな昔のことは忘れている場合も多いです(かつて、私もそうでした^^;)

もう、お気づきだと思いますが、本人の主体性を大事にするコーチングを「強制」的に学ばされる、って変ですよね。

つまり、コーチングを教えるなら、相手の主体性を大事にする関わりを通じて教える必要があるのです。

かつて、ディスカッションに参加しない学生さんと、こんなやりとりをしたことがあります。

私「グループの他のメンバーが学べなくて困るから、参加して」
学生「わたしは、やりたくないねん。先生が気に入らないなら、点数引いたらええやんか」

もちろん、教師側の「正論」はあります。将来さまざまな患者さんと接していく医療者にとって、コミュニケーションのトレーニングをすることは価値あることです。さらに、授業なのですから、学生さんには、積極的に学ぶことが求められます。

しかし、思うのは、ここで「正論」を語ることは、果たして相手の主体性を尊重したり、引き出したりすることにつながるのだろうか、ということです。

ましてや「意識が低い学生!」とダメ出しのような評価をすることは、コーチングの授業になじみません。なぜなら、コーチングは相手を否定・批判・評価をしないものだからです。

自分自身がモデルになる

さらにコーチングの基本を身に付けるには、最低でも60時間の学びは必要です。それを数時間で教えるのです。難しさがあるのは当然です。

このことに関して、かつて、禅僧ジョアン・ハリファックス老師から教えていただいたことがあります。それは

短時間で何かを伝えなければならないときは、あなた自身がモデルになることが一番有効です。

これは、ハリファックス老師との写真です。私のモデルです。なかなか道のりは遠いです。しかし、軸がはっきりしているので、進むことはできます。その軸は、こういうものです。

コーチング的なリーダー、つまりメンバーの主体性を大事にしたチームを作りたいなら、

迷ったときは「どうしたら、メンバーの主体性を大事にできるか?」と自問してみよう